Wilson + Air Tight +Analog relax 試聴ショートインプレッション

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まえがき

お世話になっている某オーディオショップさんでWilson Audio、Air Tight、Analog Relaxのイベントがやっていたので聞かせていただいた。

特にAir Tight ATM-3211は5年位前に別のイベントで聞いた時からのお気に入り。

システム丸ごとほぼ初めて聞く機器ばかりで感想の解像度は低いがアバウトな備忘録として残す。(細かい所は参考になりません)

音質まとめ(主にWilson + Air Tightシステムとして)

今となってはなかなか聞けない音
凄く聞き応えがあるしイマジネーションを刺激される音。(個人的に音楽鑑賞にはイマジネーションを想起させるのが必要だと思っていて、その観点ではかなり優秀)
音ではなく音楽を聴くという脳内スイッチが入りやすい音。
オーディオを忘れられる音。

音像の各要素が強い。音楽として必要な旨みを取り出すのが上手い。音楽の説得力が高い。そこにこのシステムの強みが凝縮されている。

レンジはさほど広く無いが中域の厚みと旨み、そこの音楽再現性が高い

レンジが広くない事も含めて「音」としての忠実度はさほど高くないはずだが、音楽の聞かせ方が分かっている音でこの世界観に身を投じれば違和感はない。

近年の最前線のオーディオの文脈からはやや外れて、良い意味で一昔前のオーディオや更に前のビンテージから続く文脈が感じられる

トレンドが一回り回って帰ってきた感じ。現在でこの音の方向性は希少。好きな人は少なからず居るはず。

YG・マジコをはじめとした高情報量、高精細、広帯域、強クロック、高忠実の写実的方向性にピンと来ない人は聞くべき。

また、現代の最前線のオーディオを志向する人も、いや、そういう人こそ機会を作ってこういうオーディオを虚心坦懐に聞いて欲しいと思う。自分に見えてなかった、忘れかけていた大事なものに気づかせてくれる。

音楽をプレイバックする方法論は各項目の性能・忠実度を高めるだけではないと分かる音。

やはり製作者の音楽解釈能力が最も必要とされる。そしてそれは製作者だけではなくオーディオファイルにとってもそれはまた然りだと改めて感じた。

試聴メモ

アナログ

・試聴システム
Analog relax EX1000 → Granz MH-124S plemium → Transrotor ZET-3 → Air Tight ATE-3011 → ATC-7 → ATM-3211 → Wilson Alexsia 5

音が塊になって腹にズンとくる。特に低域
高域はややドライにスパンと切れる
音像そのものの説得力がものすごく高い
音像以外の情報はあまり感じない
空間とかではなく音像押し
余韻や響きはあまり出ない
何が原因かはわからないがマイクロの情報があまり出ない
同席した某氏が「最前列の音」と言っていたが、確かにコンサートの最前列で聞く感じの直接音と間接音のバランス感
楽器の音には違和感はない。つまり倍音含め出るべき音はきちんと出ている。
音が出た後の飛び方や滞留時間、微弱な音の出方でこのドライで直接的な音を作っていると感じる。

デジタル

・試聴システム
Taiko SGM → dCS Bartok apex + Rossini clock → プリ以下は同じ

アナログ比でデッドさ、ドライさはかなり減った。
でもやはり昨今のスピーカーと比較すると直接音重視。
アナログより減退したが音像の厚みや濃度は高い。
アナログで感じた腹にくる塊感は減退。スパンとしたキレも減退。これらの点はアナログマジックの側面が大きかったのかもしれない。

音場はB&Wやマーテンの様な音飛びが良く広がる感じでもなく、YGの様に位相精度が良く空間を固定した感じでもない、よく出来たウェーブガイドで感じる空間を強制定義して強く構築する感じでもない。ユニットの位置のタイムアライメントの微調整の機構に力を入れている割には、出てくる音場にはあまり特徴を感じない。

マイクロ情報はあまり見えない。
情報量はTaiko SGMが最上流ということを考えると寂しい。このシステムならTaikoである必要性はあまりない。むしろ然るべきCDトラポの方がマッチングは高そう。

トランジェントはそんなに良くない。が、アコースティック楽器の音に違和感はほぼ出ない。音作りの上手さははデジタルでも継続。

・B’z Love phantom
高域がめっちゃうるさい。何が悪いのか?部屋のフラッターが結構出ている気がするがそれだけでもない気がする。中でも高域でピークが出る帯域があるが何起因なのか?
プリに高域と低域の調整機構が付いており、高域の方を少し減衰させるとマシになった。シビアに突き詰めるのでなければなかなか使い勝手が良さそう。

でもその辺りを脳内から強制キャンセルさせればB’zの音楽はちゃんと表現している様に感じた。高忠実度志向のシステムではなかなか出ない所が出ていた

・トリフォノフ リスト
演奏に独特のリアリティがある。レンジも情報量も細部の描写力もトランジェントもそれほどではないのに。

・奈良音源
草の人が言うサウンド的な面白さの一端は分かれど、それを十全に出せるシステムではない。このシステムで細かい音の振る舞いにこだわるのは無粋

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この記事を書いた人

主にオーディオについて感じた事を書いています。
古いクラシックがメインですが、新旧ジャンル問わず音楽を楽しむスタイルです。

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