ソラマメ邸訪問記(LINN UTOPIK Power Supply, Taiko Audio Extreme Switch試聴レビュー)

今回はいつも情報交換・相互訪問させていただいているソラマメさんのお宅訪問記という形で書いていきたい。ソラマメさん、いつもありがとうございます。

ということで、今回も前回に引き続き主にLINN Klimax DSM/3についての記事になる。

前回の記事はノーマル状態でのKlimax DSM/3についてのものだったが、今回はそれにUTOPIK Power Supplyを入れたアップグレードをした状態でのものについて記す。

また、Taiko Audio SGM ExtremeにTaiko Audio Extreme Switchを入れた場合についてのファーストインプレッションについても触れる。

注意点としては、今回の訪問時期は2024年1月初旬であり、ソラマメさんがUTOPIK電源及びSwitchの2つを入れて間もない時期に急遽お伺いした際のもの。従ってまだまだ十分な調整が為されておらず、ご本人としてもこと細部については納得行く状態でなかったと思われる。その点をご理解のうえ読んでいただきたい

また、今後お宅に伺って印象が変わっていればここに追記もしくは別記事を立ち上げてその印象の修正具合についてレポートしたいと思う。

※2024.5.21追記

この記事の後、5月上旬に再びソラマメ邸に伺った。上記の細部の課題については解決されていたと共にTaiko Audio Extreme Routerの試聴等また色々と聴かせていただいたのでご興味のある方は下記をご参照願いたい。

目次

ソラマメさんのシステム

本題であるUTOPIKとTaiko Switchの話題に入る前にソラマメさんのシステムについて軽く説明する。

ソラマメさんのシステム構成

Taiko Audio SGM Extreme

LINN Klimax DSM/3UTOPIK Power Supply

CH Precision A1

B&W 803D3

システム構成は超シンプル。Taiko SGMとLINN Klimax DSM/3を使ったファイル再生に特化したシステムだ。私も今の地獄の様な前段のシステムをやめていつかはこういうシンプル高性能のシステムにしたいのだが。。。

聞かれる音源はオサレな現代ジャズを中心にクラシックなどアコースティック系の音源が多い。また、普段から様々な音源をリサーチしていて、幅広いジャンルの高音質な音源を発掘するのに余念がない「音源ソムリエ」だ。

音質はTaiko SGMとLINN Klimax DSM/3の情報量と音色や質感の良さを存分に活かしたもので、ことアコースティック楽器を使用する音源の再生は素晴らしいの一言。私も度々お邪魔してその音色や質感、ニュアンスの出し方をいつも勉強させていただいている。

その反面、ダイナミクス方面への対応力にやや課題があった、というのがこの訪問以前の状態だ。

果たしてUTOPIKとTaiko Switchを入れてどうなったのか?

LINN Klimax DSM/3 + UTOPIK Power Supply

前回訪問時のKlimax DSM/3のノーマル状態の記憶と今回聴かせていただいたUTOPIK電源を入れた際の印象の違いについて主に記載する。

LINN Klimax DSM/3 + UTOPIK Power Supplyでの変化

Pros

  • SNかなり上がる
  • それによる空間の見通しがかなり上がる
  • 一気に盛り上がる時の瞬発力、瞬間的追随性がかなり上がる
  • 音像の密度感がかなり上がる
  • 低域の押し出し感がかなり上がる

Cons

  • DAC史上最高峰だと感じる音色の良さ、表現の軽やかさ、柔らかさ、自在性がそれなりに落ちて表現幅が狭くなり、やや硬くなり、質感がややツルッとする。一言で言うとオーガニック感が減る
  • 基礎性能が上がった分だけ遊びがなくなりシステムのネガが出やすくなる
  • 音が細くなる(これはソラマメシステムのネガが顕在化しただけかもしれない)

密度感が上がっている
SNが上がっている
空気の張り詰めた感じが出ている
音像の張りが出ている

逆に今までのKlimax DSM/3の穏やかで音触の良い感じはやや減退
やや色彩感が落ちてモノクロ寄りに
やや表現の移り変わりが固くなった感じ
このあたりは元々が至高の出来だったのであくまでそこから比べての話になるが・・・

総じてSNとダイナミクス性能がかなり上がるが、その代わりこれまで強かった音色や質感がやや下がる

前回の記事を見ていただけると分かるかと思うが、ノーマルのKlimax DSM/3での「Cons」として挙げた項目の多くが今回のUTOPIK電源での変化における「Pros」の項目になっている。そしてノーマルでの「Pros」項目が今回の変化における「Cons」に入っているつまり、LINNとしてはノーマルでの短所を認識していて、今回のUTOPIK電源アップグレードでそれを補強しに来たが、その分ノーマルでの長所をややスポイルしてしまった結果となっている。

これはオーディオあるあるで、何かを入れたり変えたりした時に全面的に良くなることはオーディオではほぼあり得ない。「ネガなしに良くなった!」と感じた時こそ危険信号で、実は自分の認知のブラインド項目で悪くなっていた所があったなんてことはザラにあるので注意したい。

また、今回の UTOPIK Power Supply アップグレードで総合的な完成度は上がって製品として一つ上のステージにアップしたと感じるが、その結果遊びが無くなってシステムのネガが出やすくなったとも感じた。ここもオーディオの難しい所であり、同時に取組み甲斐のある所。調整の難易度は上がるが、それを乗り越えて上手く調整出来た時にシステムのステージが一つ上がるので頑張りどころだ。

今回のUTOPIKで基礎性能が上がってより顕著に分かるようになったが、やはりKlimax DSM/3はクロックが弱いそこはUTOPIKでは全く底上げされない

今回でKlimax DSM/3の魔法のネタが割れた感じで個人的な評価は若干下方修正。やはり基礎性能はあまり高くないしクロックがしんどいだからこそノーマルでは魔法のような音色と質感を手に入れられていた、そういう図式だったと理解した。とはいえ、これまでが相当評価が高かっただけで未だにかなりの高評価を維持している。

現段階では、個人的にノーマルとUTOPIK電源入りのどちらが欲しいかと聞かれれば前者だと答える。でもここからソラマメさんの使いこなしでどう私の印象が変わっていくのかとても楽しみ。

Steve Smith

ハゲSteveが結構若返った感じ
出だしのシンバルから違う
やはりSNが高くなりストレートな音になった
低域のブリブリ感
DACの駆動力がかなり上がった

The weeknd

SNが上がりリバーブの見える感が凄く上がった
低域の階調感がよい
低域の押し出しがアップ

トーマスザンデルリング

トゥッティへの追随性がかなりアップ
瞬発力がかなり高く
SNが上がって見通しが良くなる

Ado 唱

こういうのが鳴るようになってて草www
ダイナミクス性能が総合的にかなりアップしている
やはりダイナミクスの追随性が早い

エスカフローネ

UTOPIKを入れる前よりもHRSラックか何かの音が載ってる感じが出る。良くも悪くも遊びが無くなっている

藤井風

かなり風属性が上がった

Bz

冒頭のストリングスがかなり細くなった。これも多分遊びが無くなった影響か

再びソラマメ音源

クリーンだがややツルッと感も出ている
オーガニック感は減った

Taiko Audio Extreme Switchを入れる

続いてシステムにTaiko Audio Extreme Switch を入れていただいた。

簡単に言うとKlimax DSM/3がUTOPIK電源入りになって減退した音色と元々あったクロックの弱さをすっかりSwitchがカバーして更に上乗せしてきたこの効果はちょっと驚くほどで笑うしかないw

一気に空間的な座標がピシッと出る。好きな方向性の向上
音像の説得力が出る
とても良い音。倍音の出方でこう感じるのか?
生っぽくなる
肉声感が出る
音がブレずに美味しいところがこぼれない
他所で聴いた時より効いている感じ。USBでなくLan接続だからか?

Steve Smith

芯が定まる感じ
ブレない
性能が良くなっただけでなく生に必要な要素を更に載せて来る感じ
ほんと毎回エミール(Taiko Audio主催者)は信じられるエミールしか勝たん(なお自分はTaiko製品は持っていない模様)

The weeknd

低域がグリップされて留まる感じ
声も説得力がグッと出る

トーマスザンデルリンク

さっきまでの繊細に傾く感じが無くなり散らずに留まる
クロック的な効き方
プラス生的な魔法

Ado 唱

音像の厚み
プリっとする肉厚感
あとはクロック的な音の位置が決まる感じ
エンジニアの意図が正確に反映
他所の倍は質感に効いてる

エスカフローネ

音色が良くなった
あとは空間定位の位置の精確性
音源に入っている情報より良くなってる感じ。やはり盛ってる感はある

藤井風

濃い
低域のグリップ感による音が散らずに留まり、濃さが出る感じ

ドコドコタカタカ

冒頭の尺八?が濃い。密度が高い
大太鼓の音の芯がとても強く出る

Infected Mushroom

密度感とグラデーション感
位相的な精確性
動的な追随性の高さ
全てを兼ね備えている
EDMパーティー出来る
クロックの良いDACのガッチリ決まる感じとはまた別の「音の位置情報のマッピングが良い感じ

あとがき

今回は2つの新アイテムの導入から間もない時期に伺ったということで、やや音を纏めきれていない所をSwitchを入れる前は感じた。それで聞きながら「あーこれは再調整しなきゃですねー」と言おうと思ってたら、Switchを入れたら全て解決してマジ草だったww

ここに至って計算していたかの様に少し前に入れられたHRSのラックと、今回入れられたUTOPIK電源とSwitchがうまくハマりすぎている。

結論→システムはトータルバランス
真理→エミールを信じろ エミールが全てなんとかしてくれるw

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この記事を書いた人

主にオーディオについて感じた事を書いています。
古いクラシックがメインですが、新旧ジャンル問わず音楽を楽しむスタイルです。

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