dCS Lina DAC + Lina Clock + Lina Headphone amplifierとBartok2.0 短時間試聴レビュー

dCS Linaフルシステム(Lina DAC + Lina Clock + Lina Headphone amplifier)Bartok2.0を短時間試聴させていただいた。今回はとりあえずのファーストインプレッションとして記載する。

目次

まとめ

Linaフルシステム

Vivaldi世代から音の傾向が変化している。ニュートラル基調で品位が高く上質、さりげない高性能感がある。ガチのオーディオマニアというより上質な音で楽しみたい音楽好きがマッチしそう。(なお価格

Bartok 2.0

ノーマルよりも総合的なレベルは1-2段階上。メリハリが出てSNと解像度も上がっている。ダイナミクス面は性能がアップ。反面、マイクロダイナミクス面はやや後退した感あり。価格を考えると未だに見合った性能とは言えない。

dCS Linaフルシステム

試聴システム

Soundgenic→dCS Lina dac(Lina clock入り)→Lina Headphone Amp→Focal Utopia SG
ヘッドホンケーブルはUtopia SG付属ケーブル

※店員さんによるとまだあまりエージングされていないとのこと。従って今後まだまだ良くなると思われる。今回はあくまでファーストインプレッション程度。この点に注意してお読み下さい。

音について

Bartokよりかなり癖が少なくまとも
割とニュートラルと言える範囲。Scarlatti 世代の音傾向で性能を現代のものに置き換えた様な印象。どうしたdCS。でもいいぞ〜この調子で行ってくれ

と言いつつ、ズスケを聞くとdCSっぽい音に偏っているのが分かった。アコースティック楽器の音の忠実度はさほど高いというわけではない

テクスチャはお馴染みのdCSのアレ。ring dac特有のものなのだろうか。独特のハイエンド感があり、好きな人はとても好きなテクスチャ。ハイエンドってこうだよね的なアイコン感さえある。ちなみに私は作られた感覚がしてあまり好きではない。

普通に耳馴染みが良く聞き心地が良い。ゴージャスに演出する近年のdCSにすれば珍しく質素で若干の爽やかささえ感じる。パッと聞き普通。これは褒めている。

総合的な基本性能もBartok2.0よりも1-2段上。中でも肌理の細やかさと滑らかさ、聞き味の上質さはなかなかのレベル。DaveやTambaquiあたりの小型100-200万クラスのDACよりも1-2枚上手。クロックを外してDAC単体でどこまでのものかは気になるところ。今後機会があれば試してみたい。

駆動力は価格からするとかなり乏しい。多分HPAの駆動力があまりない。サイズによる限界か。パワーアンプは物量が正義。同価格帯のMSB Premierとは比較のテーブルにすら乗れない感じ。音の密度感も同様。
ぶっちゃけViolectric V340より駆動力はない。もちろん音の品位は遥かに高いのだが。

結構律速感を感じる。駆動力がないことも要因だと思うが他にも原因がありそう。かと言って押し引きが鈍くついて来れない感じではない。全体のテンポが遅くなった感覚。

定位の収束はまずまず。それなりのクロックを入れている時程度はある。クロックがそれなりに良い時に出る類のエア感もそれなりに出ている。ただ、本当に良いクロックを入れている時の冴えた感じや空間のグリップ感は無い。価格を考えるとやや残念なレベル。

空間補正(イコライザー)機能について

普通に期待すると裏切られる。あくまでおまけ程度で気分転換やお遊びに使うのが適当。

3種のうちのCが一番まとも
Cはやや頭内定位を前方に出そうとする意図はわかるが、明らかに位相等を不完全に弄っており、定位や空間を積極的にガチで探ろうとすると気持ち悪くなる。音の流れがおかしい。

その他2種は響きが付加されてホール感が出る。が、ぶっちゃけとてもチープ。安易で底の浅いイコライジングであり、悪いとは思いつつも聞いていると失笑を(

Bartok 2.0

試聴システム

上記Linaフルシステムの環境と同じ。
Soundgenic→Bartok2.0(バランスヘッドホンアウト)→Utopia SG

※ よくよく考えると、Bartokのヘッドホンアウトで真面目に聞くのはほぼ初めて。なので今日感じた従来のBartokからの変化がDAC部が2.0になった事によるものなのか、ヘッドホンアンプ部の性能によるものなのかを現時点では正確に切り分けが出来ていないことは注意点として挙げておきたい。機会があれば別のHPAを繋げて聞いて切り分けをしたいところ。

音について

2.0になって動的なダイナミズム重視にシフトした感じ。マイクロ領域の性能は逆に後退しやや大味になった。

ノーマルよりメリハリが出て派手で分かりやすくなった。SNと解像度も上がっている。ノーマルの望洋とした感覚はほぼなくなった。それもあり、ノーマルより高性能感が出ている。このあたり確かにapex感がある。(Vivaldi apexを試聴した時と似た感覚)

相変わらず低域モリモリ。明らかにフラットとは言えない。盛っている。ただノーマルよりメリハリが出たので野暮ったい感覚は減った。

肌理の細やかさは1-2段linaフルシステムが上。比較するとBartokは雑で大味。2.0になってメリハリが付き高性能感は上がったが、その分雑味と大味感が表に出ている。マイクロ領域の性能は下がっている様に感じる。

常に音のテンションが高い。弦を必要以上にキリキリ張り詰めている感じ。よって表現の柔らかさが出ない。緩急自在ともいかない。

ノーマルよりも総合的なレベルは1-2段階上がっている。無償アップデートでこの性能上昇は素直に素晴らしいと思う。が、そもそものノーマルBartokの出来が残念だっただけのこと。2.0になった今でも価格を考えると厳しい製品と言わざるを得ない。

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この記事を書いた人

主にオーディオについて感じた事を書いています。
古いクラシックがメインですが、新旧ジャンル問わず音楽を楽しむスタイルです。

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